会話のボクシングシリーズ 10 公務員は辛いよ

10 公務員は辛いよ

翔太) お父さん もう少しスピード出せないの

父)  ここは時速40キロ制限の道だからオーバーしないよう35キロで走ってるんだ 文句を言うな

翔太) 追い抜く車の殆どがお父さんと僕を睨みつけてるよ

父) そんなの気にするな 前を見てればいい

翔太) さっきなんか自転車に抜かれたじゃん

父) あれは競技用の自転車でその気に成れば50キロや60キロは軽く出せるんだよ

翔太) へ~~ でもそれって速度違反じゃん 警察に捕まらないの

父) 自転車には速度制限はないんだよ

翔太) それじゃ今度ママチャリの後ろに乗るからお母さん100キロで走ってよ 気持ちいいだろうな~

母) バカ言ってんじゃないよ そんなに早く走れたらお母さん来年のオリンピックに出られるじゃないか お父さんはね 公務員だから法律に違反しないように注意して走ってるんだよ 若しスピード違反で事故でも起こしたら役所を辞めなければいけなくなるかも知れないんだよ 

翔太) 公務員って辛いね

父) うっかり職場であくびをしてるのを見られただけで公務員はたるんでると役所に苦情電話が入るんだよ 警察官も学校の先生も同じだと思うよ

翔太) お父さん 何でそんなつまらない公務員になったの? お父さんが大声で笑ったら『公務員が笑った』と訴えられて逮捕されるんじゃないの

父) ハハハハ それじゃ落語も聞きに行けないじゃないか ビルのガラスが割れる程の大声で笑わない限り訴えられることは無いよ 公務員が特に注意しなくちゃいけないのがヤクザと言われる入れ墨をした人だね そんな人と交際したら一発で首だね

翔太) それじゃ 若しお母さんの腕に昇り竜の入れ墨がしてあったらプロポーズしなかった?

父) 3メ-トル以内には近づかなかっただろうね

翔太) でも隠れたところに入れ墨してあったら分からないじゃない もしお母さんがお尻にパンダの入れ墨がしてあったらどうする?

父) まさかプロポーズする前にお尻を見せて下さいなんて頼めないじゃないか それは賭けだよ

母) あなた 私を賭けでプロポーズしたの

父) 悪い意味でとらないでくれよ お尻にパンダの入れ墨が無いことに賭けたんだよ

母) 馬鹿らしい

翔太) 親父ギャグや駄洒落も大丈夫なの?

父) 人を傷つけるようなものでなければね

翔太) それじゃこんなのどうかな

    『金魚が逃げちゃったよ』

    『それはキンギョ迷惑だな』

父) う~~ん なかなかだけど盗作のような気がするな

翔太) そんなことないよ だったらお父さん自分で考えてよ

父) 急に言われてもな~~ う~~ん う~~ん

  便秘と掛けて考える人と説く その心は どちらも う~~ん う~~ん

母) バカらしい それって駄洒落じゃないでしょ

父) それじゃ名誉挽回でこんなのはどうだろう

   『ゴジラが遊びにきたよ』

   『ごじらに通しなさい』

翔太) お父さん お母さんがそっぽを向いてるよ

父) それではこれはどうだろう

   『お母さんがびしょ濡れで帰って来たよ』

   『美女ビジョだね』

翔太) お父さん お母さんが笑ったよ 座布団3枚だね お父さんは職場でも気を使って駄洒落にもお母さんに気を使って大変だね

母) 翔太 生意気言うんじゃないよ まったく~

翔太) 僕は将来公務員みたいな息苦しい環境じゃなくて落語家みたいな楽しい仕事がしたいな いいでしょお父さん お母さん

母) お前は学校の成績は何時もペケのほうで既に落伍者に成ってるじゃないか

父) お母さんうまい ハハハハ ハハハハ

翔太) 座布団10枚だね  ハハハハ ハハハハ

母) お父さんも翔太も笑てる場合じゃないでしょ 少しは真剣に考えなさい 

父 翔太) しゅん・・・・・

翔太) お父さん ゴジラが遊びに来てもママゴンが居れば安心だね

父) し~~~~~っ

おわり