お爺ちゃんの昔話シリーズ

519 すったもんだ

孫・お爺ちゃん 『すったもんだ』って何のこと?

爺・お~う 久し振りに聞く言葉だな

孫・そうなの? ぼくは時々聞くよ

爺・そうかい それじゃ教えてあげよう 昔々ある処にスッタさんとモンダさんが同じ長屋に住んでいたそうだ ところがスッタさんとモンダさんはどういう訳か顔を合わせるたび口喧嘩してしまうんだな

孫・へ~~何でだろう

爺・どうしてだろうね~気が合わないというのか顔を合わせると互いに罵り合ってしまうんだね

孫・ののしり合うって?

爺・う~ん 互いに相手の悪口を言うことだよ 例えば『ぽけ~っとアホ面して歩いてんじゃね~よ』とスッタさんが言うと『お前こそお化けが逃げ出すような不気味な顔しやがって』と言い返すようなことだね

孫・二人とも変な顔してたんだね

爺・ハッ ハッ ハッ そういうことで長屋の人達や近所の人達は別の人が口争いをしてもスッタさんとモンダさんの様だねと言うようになって口喧嘩のことをスッタモンダと言うようになったそうだ おわり

孫・ふ~ん だけどスッタさんとかモンダさんの名前は珍しいね 日本人じゃないみたい

爺・そうそう 言い忘れたけどスッタさんはドイツ人でモンダさんはフランス人なんだよ ところで慶志郎君はどこでスッタモンダという言葉を聞いたのかね

孫・きのう お爺ちゃんとお婆あちゃんが言い争ってるのを聞いてお母さんが『あらあら又お爺ちゃんとお婆あちゃんがスッタモンダやてるわ』と言ってたんだよ 昔々の話じゃ無くて ドイツ人とフランス人の話でもないよ

爺・あじゃ~~~

 

おわり