お爺ちゃんの昔話シリーズ3

521 しっちゃかめっちゃか

爺・・どうしたね翔太君 不満そうに口を尖がらせて

孫・・だってさ おもちゃ箱がいっぱいに成ったからさ おもちゃ箱をひっくり返していらなくなった赤ちゃんの頃のおもちゃを選んでいたらお母さんが入ってきて『何ですか しっちゃかめっちゃかに散らかして この部屋はゴミ捨て場じゃありませんよ さっさと片付けなさい』と怒鳴って出て行ったんだよ いらないおもちゃを片付けようとしてたのにさ

爺・・ハハハ タイミングが悪かったな お母さんの頭に角が出てたか?

孫・・角だけじゃないよ 目から火も出てたよ

爺・・あんれま~ウルトラマンもびっくりだね

孫・・それでさ お母さんが言ってた「しっちゃかめっちゃか」ってどういうこと?

爺・・お~う しっちゃかめっちゃかね~それは大学に行っても教えてくれないかもよ それはね昔々ある長屋にしっちゃかさんという若者が住んでおったそうじゃ しっちゃかさんは働き者で評判も良かったのでうちの娘を嫁にという話がいくつかあったので大家さんがその話を持ってしっちゃかさんの部屋を訪れたところ足の踏み場も無いほど散らかっていたそうじゃ

孫・・それで大家さんの目から火が出たの?

爺・・火は出なかったけど目が吊り上がったね『せっかく 今日は縁談の話を持ってきたのにこれじゃ嫁の来てもないじゃろ』と大家さんが残念そうに言ったところひっちゃかさんが『部屋が散らかってても来てくれる人がいたら嫁に貰ってもいいですよ』と言ったそうじゃ そこで縁談の話を持ってきた家にその話をしたところめっちゃかさんのご両親は大喜びで早速めっちゃかさんをしっちゃかさんの嫁に出したそうじゃ

孫・・へ~ それでどうなったの?

爺・・そうだよね~ 誰でも気に成るよね~ それで大家さんも気に成ってある日そっと窓から部屋の中を覗いたところ なんとなんと しっちゃかさんとめっちゃかさんがごみ箱を蹴飛ばし合って楽しそうにサッカーをしてたそうじゃ もちろん部屋の中はゴミだらけで部屋の隅からゴキブリの家族が大家さんにVサインを送ったそうじゃ

孫・・なんか安心した

爺・・ハハハ 仲のいいことには大家さんもめっちゃかさんの家族も安心したけど大家さんの横から一緒に覗いていた長屋の人達は『あれあれ しっちゃかとめっちゃかは部屋中散らかして しっちゃかめっちゃかだわ』とあきれたそうじゃ それからめちゃくちゃに散らかすことをしっちゃかめっちゃかと言うようになったそうじゃ 終わり

孫・・ふ~ん しっちゃかめっちゃかが分かったから僕大学に行けるね

爺・・ああ しっちゃかめっちゃかな大学ならどこでも合格するよ

孫・・やった~~~

 

おわり