白髪の王子様の見聞録 ほっこりアイランド

①漂着

◎君っ しっかりしたまえ 君っ

   ピタン ピタン

★う~~ん ムニャムニャ う~~ん ムニャムニャ

◎お~う 息を吹き返したようだ 良かった良かった マイケル水を持ってきなさい

◆へい かしこまりましたでやんす

◎見たところ かなり高齢だが大丈夫だろうか

◆親分 水をお持ちしやした 

◎おいおい 気付けに飲ませるんだからコップでいいのにバケツに溢れんばかりに汲んできてどうするんだよ

◆気付けならこいつを頭からぶっ掛ければすぐに目を覚ましますよ親分

それっ!! ザッブ~~ン

★ヒッ ヒヤッ ホエッ ??? こ・ こ・ ここは何処だ???

◆ほら見なせい 気が付いたじゃねーですか

◎お前はやることが乱暴なんだよ

◆おいっ おっさん お前何処から来たんだね 耳は達者か? 口は達者か? 頭は達者か? 

★アワワ エ~~ アイアム ジャパンからボートでユ~~ラ ユ~~ラ ジスカントリーにゴッツン アーユー アンダスタンド?

◆バッカカお前は 俺は日本語で話し掛けてるじゃねーか お前こそ変な外人じゃねーか

◎これこれマイケル お前の顔を見て外国に来たのと勘違いしたんだよ 後は私が話をするからお前は柔らかい食べ物でも用意しておくれ 

◆へい かしこまりやした

◎脅かしまして申し訳ありません あれは召使いのロボットでしてマイケルといいます 彼を制作した博士がゴットファーザーの熱烈なフアンでしてヤクザ言葉をインプットしたものですから乱暴な言い方をしますが感情は穏やかで人間に危害を与えることは有りませんのでご安心下さい

★有難うございます それを聞いたら安心してお腹がすいてきました

◎はははは それは良かった 今マイケルが準備してますからどうぞこちらへ 足は大丈夫ですか 歩けますか?

★思ったより足も膝もしっかりしてますので漂流もそれ程長くはなかったようです 申し遅れましたが私は白髪の王子と申しまして訳あって漂流の旅に出ましてこちらに漂着した次第です 来て早々無礼ながらご厚意に甘えまして食卓に着かせて頂きます

◎どうぞ どうぞ 遠慮なくこちらへ

◆親分 準備できやした

◎有難う 病人食のようですが 初めはこの方が良いでしょう どうぞ私共には構わずお召し上がり下さい

★有難うございます 甘えついでに申しますが晩酌など有りましたら有り難いのですが

◆バッカカお前は 命を助けてもらった恩も忘れて酒を出せだと お前の面の皮は象のかかとより厚いんじゃね~のか だいたい朝の10時に晩酌を要求するなんてお前はアル中か?

◎これこれマイケル 言葉が過ぎるぞ この方はある国の王子様であるぞ

◆お・う・じ・? 俺の生みの親の博士はイボ痔だったけどお前も痔が悪いのか それなら余計酒は痔に悪いから止めとけ そうでござんしょ親分

◎マイケル その痔じゃなくて王子の子だよ

◆???

つづく