白髪の王子様の好奇心 80 バーゲン-セール

バーゲン-セール
いよいよ今年も12月となりました。
この頃になると子供達の目はクリスマスやお正月を楽しみにしてキラキラ輝いて来ます。そして大人達は財布の中身と相談しながら年末年始のバーゲンに目をぎらつかせています。
ターゲットは食材ではなく自分へのご褒美であります。
ご主人から見て悪妻でも自分へのご褒美は忘れません。
私達年輩者から見ると焦らなくても年がら年中あちこちでバーゲン-セールをやっているように思えるのですが?
例えば、決算セール・在庫セール・季節(春夏秋冬)ものセール・開店セール・閉店セール・祝勝セール・タイムセール・ポイント5倍〜10倍セール等々、セールの無い日を探すのが大変なくらいです。
最近聞かなくなったのが出血サービスという言葉ですね。腹切りの悪いイメージから女性には好まれないのでしょう。それに代わって登場したのが『OFF』というあちゃら語の文字です。
私が初めて店の入り口でその文字を見たとき、ここは出口かな?、それとも今日は休みかな?と戸惑ったことを思い出します。
しかし、これから始まる年末年始のセールは内容といい規模といいスケールが違うようです。
12月始めからクリスマス迄のバーゲン-セールはプレセールと言われ、まだまだ序の口です。クリスマス明けから12月31日までの一週間が本当の年末セールとなります。
バーゲンハンターと呼ばれる泣く子も黙る戦闘員が動き出すのもこの頃です。バーゲンハンターは事前にチラシばかりではなく通販誌、インターネット等で徹底的にチエック比較したうえで目標の店を決定し、狙ったものをゲットしたらそれ以外のものには目も触れずにさっさと次の店に飛び立つてしまいます。他に寄るとしてもトイレぐらいで店にとっては嬉しいような悲しいような複雑な存在であります。
元日から始まる年始セールとなると50%〜70%OFFは当たり前となりバーゲンハンターばかりではなく猫も杓子も売り場に殺到しますので『何かいい物ないかしら』なんて悠長な考えで出掛けたら弾き飛ばされてしまいます。爪でひっかかれるのは当たり前、肘鉄くらうのも当たり前と思って下さい。
今年のサラリーマン川柳で一位になったのは『うちの嫁 後ろ姿は フナッシー』だそうですが、そんな嫁もバーゲン会場ではその体型が有利となります。大きなお尻を左右に動かすだけで両脇の邪魔者を押しのけることができるのです。伊達にフナッシーをやってる訳じゃ無いのです。
おしゃれをしてバーゲン-セールに行ってはいけません。気が付いたら帽子やマフラーは何処かに消えて、イヤリングの片方も無く成っていたなんてことはよく聞く話しです。
このようにして悪戦苦闘のすえ、ようやくゲットしたお買い得商品を抱えて喜びいさんでレジに向かってはいけません。目を皿の様にして汚れは無いか、キズは無いか、ボタンは取れて無いか等落ち着いてチエックすることが肝心です。多くの人にかき回されたり引っ張られたりしてキズ物に成ってる場合も多いのです。殆んどの店ではセール品の返品や交換は受付けません。レシートを受け取り、一歩売り場から離れたらもうその時点で返品や交換を申し出ても『だめよ〜だめだめ』であります。
『い〜じゃ ないの〜』と突っ込んでも、今年は特に『だめよ〜だめだめ』と断わられることでしょう。車掌さんの呼称点検を参考にして『ボタンよ〜し・傷もよ〜し』と確認してからレジに向かいましょう。にんまり笑うのは家に帰ってからでも遅くは有りませんので。