白髪の王子様の好奇心 56 蚊との戦争

蚊との戦争
デング熱の患者が日ごとに増えて、今日現在で70人を超えています。
蚊の寿命は2〜3週間です。血を吸うのはメスだけで、しかも産卵する時だけであります。
そのため一匹の蚊が一生で血を吸う回数は3〜4回だと言われています。
それらを総合して私なりに計算してみると、若し、たった一人の患者からの媒介だとすると、一人で20匹以上の蚊に刺されたことになります。
これも私の想像ですが、患者はお酒を飲んで公園で寝てしまったのではないでしょうか。
お酒を飲むと体温が上がり、蚊が寄って来るといいます。蚊は『ブ〜ン』と音をたてて近づいてくるし、血を吸うのに1〜2分かかると言いますから正気ではそれだけ多くの蚊に刺されることは無いと思うのです。
蚊という字が虫偏に文と書くのは『ぶ〜ん』という音を立てて飛ぶ虫だから、との説があります。
それもその筈、蚊は一秒間に500回も羽ばたくそうです。蚊に比べていい子ちゃんのトンボは20回
ミツバチは250回、私達人間の動作で一番早い瞬きでも100〜150ミリ秒なのでとても敵いません。
この憎たらしい蚊を駆除する薬品は色々有りますが、今でもポピュラーなのが蚊取り線香です。我が家でも蚊を見つけたら即蚊取り線香に火を付け、黄門様の印籠のごとく『これが見えぬのか』と蚊に向かって恫喝しております。
金鳥蚊取り線香が世界で初めて登場したのが1890年、その時は棒状で40分で燃え尽きたそうです。 その後社長の奥様が倉でとぐろを巻く蛇を見て社長に提案して誕生したのが、あの渦巻型の線香だそうです。さすが社長の奥さんですね、蛇を見て泡を吹いて倒れるようでは社長の奥様は務まりません。ところが多くの社長はそんなか弱い女が好きなんですよね、本当は。
渦巻型の蚊取り線香は、夜寝る時から明け方までの約7時間持つように成ってから急速に広まり、世界中に輸出されるようにまで発展しました。今でも日本が世界に誇れる優れた発明の一つなのです。歌謡界の女王である美空ひばりがコマーシャルに出たのも頷ける訳です。 この時期もう一度あのコマーシャルを流してほしいものです。
あるデーターによると、毎年72万人もの人が蚊の媒介による伝染病で死亡しているそうです。
実際にはその倍以上だとの報告も有ります。
人間同士が戦っている場合じゃありません。毎年100万人近くの人命が蚊によって奪われているのです。
蚊よ、せめて戦場で戦う兵士から先に襲ってくれ。銃を構える腕に。戦車に乗る兵士の足に。指揮官の首にしがみ付いて血を吸ってくれ。貧血に成るぐらいどんどん吸ってくれ。それによって戦争が下火になればノーベル平和賞はあなた達の頭上に輝くことでしょう。
でも、ごめん、それでも私はあなた達が飛んで来たら目の色を変えてひっぱたきます。