二丁目商店街シリ−ズ 15 サ−ビス過剰の床屋さん

サ−ビス過剰の床屋さん
○ 親父からこの店を引き継いで今年でもう15年に成りましたよ小柳さん
○ ほう そうかね それじゃ15年間通い続けた私に感謝状の一つでもくれるのかね
○ いえいえ 小柳さんからは逆に感謝状を頂きたい位ですね
○ 何で私が感謝状を贈るんだね
○ だって15年間もこのいびつな頭をカモフラ−ジュするのにどれだけ苦労したことか
○ マスタ− 床屋さんで使ってはいけない格言にツルツル ピカピカ デコボコ いびつと言う言葉が
  登録されてるのを知らないのかね
○ はいはい 失礼しました 今日は大サ−ビスいたしますよ小柳さん 何時も肩こりで苦労してるようなので
  洗髪の後 心ゆくまで肩をもんでさしあげましょう
○ オ− いいね 床屋さんでウトウトするのが何とも言えない快感なんだよね
○ ウ−ウ−ウ−♪♬ コロ−リ−ヨ−♪♪
○ マスタ− 何鼻歌なんか唸ってるんだね
○ 小柳さんが気持ち良くウトウトできるようにと子守唄をハミングしてるんですよ
○ マスタ− そのサ−ビス精神は嬉しいけど ウ−ウ−が気に成って却って眠れないよ
○ それでは本格的にカラオケを流して一緒に歌いませんか
○ それじゃ-余計眠れないじゃないの
○ そうですか それではコ−ヒ−か紅茶をサ−ビスしますがどちらにしましょうか
○ マスタ− そのサ−ビスは嬉しいけどまだ髭剃りが終わってないんだよね
○ あれっ? そうでしたっけ 今日は気が付かなかった事にしてもう終わりにしませんか小柳さん
○ あのね もう気が付いたから言ってるのマスタ− サ−ビスに気を使うのもいいけどさ本業を
  忘れないでよマスタ− 頼むよ
○ はいはい それでは15年間通って戴いたお礼にスペシャルサ−ビスとして髭を剃ってさしあげましょう
○ マスタ− 髭剃りはサ−ビスじゃなくって本業だよ 15年間黙って剃ってくれたじゃない
○ ウ−ウ−ウ−♪ コロ−リ−ヨ−♪♬
○ マスタ− もう眠る気分じゃないからさ子守唄はいいから早く髭を剃ってよ 頼むよマスタ−