勝気なパン屋さん
○ お坊さん お坊さん ハンカチ落としましたよ
○ おやパン屋の奥さん有難うございます 汗を拭いて仕舞ったつもりが・・・
○ そんなに急いでご近所で不幸でもあったんですか？
○ いえいえそんな訳など・・・
○ 救急車と消防車と坊さんが走ってるのを見るとドキッとするんだよね
たいした用も無いのに走らないでおくれよ
○ はあ その〜 あの〜 すみません
○ 住職はどっしりとして威厳があるけど あんたはお尻が軽いよ そんな恰好で
蝶蝶みたいにふわふわと走るんじゃないよ
○ 奥さんに比べればお尻は確かに軽いと思います はい
○ あんた何処を見て言ってるんだね ちょっと待ってな修行が足りないみたいだから
カチカチのフランスパンでその木魚みたいな頭を叩いてやっから
○ と とんでもない 今日住職が出掛けに言ってた言葉の意味がようやく分かりましたよ
○ なんて言われたんだい
○ パン屋の前を通る時はツバメの如く素早く通り過ぎるようにと・・はい
○ 住職がそんな事言う訳ないだろ ちょっとそのいびつな頭を出しな木魚の叩き方教えてやるから
○ いえいえ結構です それでは先を急ぎますので・・はい 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏・・・はい
○ こらっ 坊主が昼間っから走るなと言ってるだろ 昼食ぐらいパンを食べて修行しろってんだ
