寸劇シリーズ 1 苦しい言い訳

1 苦しい言い訳

由美・ あなた聞いてる? さっきから生返事ばかりでさ 気持ちがそっぽ向いてるよ

加奈・ そんなことないわよ ちゃんと正座して聞いてるわよ

由美・ 本当かな~~?

    『プ~~ッ』

由美・ ちょっと~ 今の音何? プーッと音がしたわよ

加奈・ えっ? あっ! あれは外で車がクラクション鳴らしたのよ

由美・ あら そう それでさ さっきの続きだけどそれを親に言うべきかどうか迷ってるのよ 加奈ならどうする?

    『ブッ ブッ ブ~~ッ』

由美・ ちょっと加奈 私が真剣に相談してるのにオナラで返事するなんて失礼じゃないの 下の口じゃなくて上の口で答えなさいよ

加奈・ イッ 今のは私じゃないわ

由美・ 私じゃないって誰なのよ あなた一人暮らしでしょ もしかして部屋に男がいるんじゃないの?

加奈・ そ そんなことないわよ 私一人よ

    『ガタン ガタガタ』

由美・ ほらっ 又変な音がしたじゃない もう隠しても無駄よ

加奈・ ね 猫よ 猫がオナラしたりテーブルの上の物を転がしたりしてるのよ

由美・ 加奈 あなたの賃貸マンションはペット禁止だと言ってたじゃない それとも内緒で飼ってる訳? それにあなた猫はあまり好きじゃないって言ってたくせに

加奈・ 違うのよ 今窓から飛び込んできたのよ

由美・ あのさ あなたマンションの8階に住んでるんだよね その猫下の空き地からジャンプして飛び込んで来たって訳ね 来年のオリンピックのハイジャンプにエントリーした方がいいわよ絶対優勝できるわ

加奈・ 違う違う 飛んで来たのよ この辺の猫は夜に成るとブンブン空を飛ぶのよ 嫌んなっちゃう

由美・ 加奈 息苦しくない? 微熱が有るんじゃない? なんだか取り込んでるようだから今日はこれで電話切るね

加奈・ あら由美 悩み相談の途中じゃなかったっけ

由美・ もっと大きな悩みが出来ちゃったみたい 加奈お大事にね それから空飛ぶ猫には排気ガスを出さないで電気で飛ぶようお願いした方がいいわね それじゃ~ね

    プツン ツーーー

おわり