白髪の王子様の会話ドラマ 俺の彼女は宇宙人 ⑩宿帳の妻

⑩宿帳の妻
◎祥ちゃん 宿帳に何と書いたの 受付の人が笑って私の顔を見てたけど。
☆あゝ 同伴者の名前も書けと言うから『かわいい妻 愛』と書いたんだよ。
◎も〜う恥ずかしいな そんなところでふざけないでよ。
☆だってさ 俺達が夫婦に見えなかったのか小声で『正直に書いて下さい』と言うから正直に書いたんじゃないか 若し愛がブスだったら『正直に書いて下さいと言ったじゃないですか』と俺が怒られるところだったんだぜ。
◎も〜う いいから早く部屋に行こうよ。
☆愛は牛年だったっけ やたらも〜うも〜う言ってるけど。
◎も〜う何号室なのよ鍵を頂戴。
☆着いた〜〜 やっと羽が伸ばせる う〜〜〜〜ん。
◎は〜〜〜あ 疲れたわね〜 身内だけの結婚式でもこんなに疲れるんだから会社の人や友人知人を呼んだら目が回っちゃうよね。
☆俺達よりもお互いの両親があっちこっちにペコペコ頭を下げて大変だと思うよ それに招かれた方もお金を使って一日時間を潰して気を使ってと結構煩わしいもんだよ 結婚式こそ『顔で笑って心で泣く』という典型的な祭典だと思うよ。会社の上司も宇宙人の花嫁姿が見られなくて残念だと言ってたけど内心はほっとしてると思うんだ。
◎そうね 人のために結婚するんじゃなくて自分達のために結婚するんだもの 慎ましい結婚式だったけど世界一素敵な結婚式だったと思ってるよ私。
☆俺は心優しくてしっかり者の妻を持って幸せだよ。
◎そうか 私祥ちゃんの妻になったんだね 宿帳に初めて妻と書かれたんだもんね なんか照れちゃうな。
☆俺だって『ご主人』なんて呼ばれたら訳もなくニヤニヤしそうだよ。
◎祥ちゃん 照れくさいから三つ指なんかつかないけどよろしくね 愛は祥ちゃんの妻として奥さんとして女房としてねじり鉢巻きで頑張るからね。
☆ハハハ バナナのたたき売りじゃないんだからそんなに気張らなくていいよ 結婚してからも愛はず〜っと俺の恋人だからこれからも今迄通り俺をヒヤヒヤドキドキさせてくれる宇宙人でいてほしいな。
◎ありがとう祥ちゃん 祥ちゃんはくだらないことも言うけどポイントポイントで泣かせること言うんだよな〜 祥ちゃんは結婚してからも祥ちゃんと呼んでほしい それとも『あなた』の方がいいかな。
☆そうだな〜 一家の主人として家庭を守る責任感をかんじるのは『あなた』だからその方がいいかな。
◎今日の祥ちゃんは泣かせるような格好いいこと言うから愛うるうるしちゃうよ ブチュッ
☆お〜う 愛のキスは何時でも俺を勇気付けてくれる ありがたいね こうして愛を近くで見ると愛の目は本当に綺麗だね 目の奥に星が輝いているようでキラキラしてる。
◎そうだよ だって宇宙人だもん。
☆愛をこれからは『母ちゃん』と呼ぼうかな。
◎やだよ それじゃ時代劇に出てくる長屋の子沢山のおばちゃんみたいじゃない 愛はお婆あちゃんになっても愛と呼ばれたいな。
☆よ〜しこれで決まりだ目出度し目出度しと さあ風呂でも入って疲れを取ろうよ 大浴場の温泉よりも内風呂の方がゆっくりできるからそれでいいかな。
◎そうね 私もその方がいいわ 祥ちゃん先に入って頂戴。
☆OK だけど愛に背中流してほしいな。
◎う〜〜んどうしようかな 祥ちゃんは愛との約束を一つ忘れてるからな〜。
☆えっ? 何だっけ 約束 約束 う〜ん 御免思い出せないよ。
◎ホテルの部屋に入る時にお姫様だっこしてくれると言ってたじゃない。
☆あっ そうだ 御免御免 もう入っちゃったから後でベットまでお姫様だっこしてあげるから許してくれないか。
◎約束だよ それなら一緒にお風呂に入って背中流してあげるね。
☆ヤッタ〜〜 万歳〜〜い ヤッホ〜〜
◎もう祥ちゃんは子供みたい 
(お父さんお母さん 地球人との結婚を許してくれて有難う 誰も私が本当の宇宙人だということを知らないの 祥ちゃんは私にずっと宇宙人でいてほしいと言うの 愛幸せだよ)
☆お〜い愛 待ってるよ〜
◎は〜い あなた〜 今行きま〜す