白髪の王子様の会話ドラマ 俺の彼女は宇宙人 ③二度目のデート

③二度目のデート
◎分かりました行きますよ。
   ガチャン
☆友城君、今の電話はどこからだね、声を荒げて。
◎入間興産からで納品が20分も遅れたと苦情を言ってきたのでトレーラーの横転事故があって少し遅れるとそちらにご連絡した筈ですがと言ったんですが連絡したから遅れていいという理由にはならんと声を荒げたのでそれでは今後は遅れそうな時でも連絡しなくてよろしいですねと言い返したら生意気だ顔を出せと・・・。
☆お前がお客様と喧嘩するのは50年早いんだよ。。
◎50年ですか、私70過ぎまでここで働く気ありませんから。
☆お前に辞められたら困るんだ、孫をおんぶしてでも出てこい。
◎・・・(またドヤ声で誉めてるんだか怒ってるんだか)
☆20年もお付き合いしているお得意様だ、俺が行って謝って来るからお前はここで待っていろ。
◎いやです、私だって行くと言った以上約束は守ります。会社の社訓にも約束は守れと書いてあるじゃないですか。
☆お前も頑固だな、よし一緒に行こう、そのかわりお前は横から口を出すなよ。
◎分かりましたよ。
☆『よ』は余計だ。
     ・・・・・
☆鈴木さん、今日は納品が遅れましてご迷惑をお掛けしました。申し訳ありません。
●あゝ、たかが20分位と思ってるかも知れんが輪ゴム一本クリップ一個の経費節減に取り組んでいる我が社において社員を20分遊ばせることは大変な損失となるんだよ。
☆本当に申し訳ありませんでした。お詫びの次いでのようで恐縮ですがこの友城が失礼な応対をしたようでどうかお許し下さい。
●ハハハ本当に顔を出すとは思わなかったな、荷受け担当の小柳から彼女の噂は色々と聞いていたので一度は合ってみたいと思っていたけどね。
☆小柳さんにも何か失礼なことでも?
●いやいや逆だよ、とても明るくて感じのいい人だと誉めてるよ。彼から聴いた話だが『君は可愛い声してるね』と褒めたら彼女から『あら可愛いのは声だけじゃありませんよ、毎日2〜3人は私に見とれて電信柱に頭をぶつけていますから』との返答があったと嬉しそうに話していたよ。その言葉に嘘はなかったと小柳に報告しておこう。しかし野々宮君も威勢の良い部下を持っておちおちしていられないな。
☆はい、私も違った意味で彼女のお蔭で毎日机や壁に頭をぶつけております。
ハハハハ ハハハハ
     ・・・・・
◎主任、やれやれでしたね。
☆鈴木さんは強面だけど根は優しい人だからな。
◎あれっ、その言葉どっかで聞いたような気がするな。
☆さっき課長に結果報告したらちょっと前に入間興産の鈴木さんから電話が入り納品時間の幅を30分広げてくれたそうだよ。
◎それは良かったですね、搬送する運転手さんもとても助かるわ。
☆課長もご機嫌で今日は二人共直帰していいとの許可をもらったから二人で食事に行こう。そして君の好きなワインで乾杯しよう。
◎やった〜〜・・・若しかしてそれってプロポーズですか?
☆えっ?
◎だってお正月に主任が初めてコーヒーに誘ってくれた時『それってプロポーズですか』と聞いたら主任はクールな顔して『コーヒーに誘ったぐらいでプロポーズなら食事に誘ったら子供が産まれちゃうよ』と言ったんですよ。それに今日はワインで乾杯しようだなんて私に子供を産ませる気になったんですか。
☆アハハハ、君と会っていると何時もドキドキさせられてジェットコースターに乗ってる気分に成るよ。
◎それって爽快な気分ですか? それともオエ〜〜の気分ですか。
☆もちろん爽快でめちゃくちゃ楽しくて幸せな気分に成るよ。
◎ヤッタ〜〜 それでは私のことを友城君とか君とかお前とか宇宙人とか呼ばないで『愛』と呼ぶことを許す。遠慮せず有り難く受けるが良い。
☆おいおい、そんなに偉そうに反っくり返ったら後ろにコケるぞ。
◎ハハハハ、実を言うと私はずっと前から心の中では野々宮さんのことを祥ちゃんと呼んでいたの、だから社外では野々宮さんも私のことを愛と呼んでほしいの、いいでしょ。
☆いいよ、でも若しかしてそれってプロポーズかい?
◎あっ、ずるいよ祥ちゃん、その台詞は私の専売特許なんだから〜。
    ハハハハ ハハハハ