白髪の王子様の見聞録 ほっこりアイランド

30 開国記念パーティー

(ピーチク) ブー太郎 ブー太郎 起きなさいよ もう朝だよ お日様がニッコリ笑ってるよ

(パーチク) 『コケコッコー コケコッコー ギャ~オ~~~~~~』

 

(ブー太郎) うるさいな~ も~~

(ピーチク) 豚型ロボットのくせに寝るなんて人間の真似してさぼるんじゃないよ

(パーチク) そうよ 顔もスタイルもお粗末なんだから朝ぐらいスマートに起きなさいよ お尻を突いちゃうぞ それっ

(ブー太郎) あっ! うっ! おっ お前達ピーチクとパーチクじゃないか 何でここに

(ピーチク) 何でって今日は白髪王国の開国記念日だよ 大勢のお客様が来るから早く起きて準備しなくちゃ駄目でしょ

(ブー太郎) 準備なんかとっくに出来てるさ 後はお客様が来るのを待つだけだよ ところでお前達誰に連れられてここに来たんだよ ロボットクリニックに入院中と聞いてたけど

(ピーチク) 自分で飛んで来たに決まってるじゃん

(パーチク) 以下同文じゃん

(ブー太郎) 嘘つけ お前たちは歩くことしか出来なかったじゃないか

(ピーチク) 何のためにロボットクリニックに入院してたと思ってるのよ 私達はオスプレイ型の翼を装備するための手術を行っていたのよ

(パーチク) そうよ ブー太郎に飛べないインコなんかウンコと同じだと言われたから悔しくて二人で先生に直訴したのよ ほらっ こうして飛べるんだよ どうだねブー太郎君悔しいでしょ ハヒフヘホッホッホッ

(王子) 何だね 騒々しいと思ったらピーチクとパーチクじゃないか 相変わらず賑やかだね二人は 

(ピーチク) 王子様 お早うございます 白髪の王国誕生おめでとうございます 

(パーチク) 王子様 以下同文です

(王子) ありがとう

(ピーチク) 王子様 ズボンのチャックが開いていますよ いくら開国記念日だからといってズボンのチャックまで開かなくてもいいと思いますが

(パーチク) 以下同文です

(王子) ハッハッハッ これは失礼 レディーの前でオープンザチャックはレッドカードだよね 失礼 失礼

(ピーチク) 王子様 私達はどんなお手伝いをしたら良いでしょうか

(パーチク) 以下同文です

(ブー太郎) お前たちは口が悪いからマスクをして皿洗いとゴミ片づけだな

(ピーチク) ガラパゴスのブー太郎と違って私達は進化してるんだよ 言葉だってチャンネルを変えるだけでバスガイドにも変身できるんだから パーチクやってみてよ

(パーチク) いいわよ 以下同文じゃなくてようやく私の出番ね『皆様~白髪の王国においでいただきましてありがとうございま~す 私が美人ガイドで有名なパーチクでございま~す 私に見とれて電信柱に頭などぶつけないようご注意下さいませ~ では発車オ~ラ~イ』

(王子) ハハハハ 上等 上等 その調子で頼むよピーチク パーチク 

ブー太郎は船着き場に到着したお客様を順に大声で私に知らせてくれないか ピーチクとパーチクはそのお客様をパーティー会場まで案内しておくれ パーティー会場にはマイケル君とプーちゃんが待機してるからそこでバトンタッチして又次のお客様を案内しておくれ 忙しいぞ

(ピーチク) 粉骨砕身 百発百中努力しまして接客しますのでご安心下さい

(パーチク) 以下同文です

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 (王子) おやおや ゴムボートで来る人 足漕ぎボートで来る人 いかだを漕いでる人もいるし大漁旗を掲げている人もいる そうだ白髪王国の国旗を考えるのを忘れていたよ 早速考えなくては・・・

(ブー太郎) 一番目のお客様はひょっこりひょうたん島ドン・ガバチョ大統領とドン・ガバチョジュニアーのご到着で~す

(王子) おう 早々と大統領自らボートを漕いで来るなんて人柄が伝わってくるね ドン・ガバチョ氏との会話が楽しみだな

(ブー太郎) 七番目のお客様はマッチョマンゾーンの田鍋棟梁とお仲間の野々宮さんと名取さんのご到着で~す

(王子) マッチョマンの人達には木材の伐採から宮殿の建築までお世話になりっぱなしで 生きてる間にこの御恩をどんなかたちでお返しするか考えなくてはいかんな

(ブー太郎) 十二番目のお客様は物真似ゾーンの島倉チョロ子先生のご到着で~す

(王子) おやおや今日も艶やかな和服姿で目立つこと目立つこと スポットライトを浴びたように意気揚々と歩いてる パーティー会場で自慢の喉を披露してもらおう

(ブー太郎) 十八番目のお客様はほっこり神社の神主であられる小柳様のご到着で~す

(王子) そうだ ほっこりアイランドにはほっこり神社が有ったんだっけ ほっこり神社の神様 地鎮祭にはお世話になりました このぺったんこ島に王国を築きましたが新参者なのであまり多くは願いませんが王国の発展と健康 そしておいしい食べ物とお酒に満ち溢れ良い友とお金に恵まれますようお願い申し上げます

(ブー太郎) 二十二番目のお客様はセクシーゾーンから美しいマドンナさんとモンローさんのご到着で~す

(王子) な なにっ! 本当かね ドキドキしてきたよ ほっこり神社の神様 あまり覗かないでください 天国から転げ落ちるといけませんから

(ブー太郎) 最後のお客様はポックリ寺からお迎えが参りました~

(王子) なぬ~~!!!!!

(ブー太郎) 失礼しました ポックリ寺ではなくほっこり寺の住職さんのご到着で~す

(王子) ブー太郎のやつわざと間違えたな ブラックジョークまで覚えやがって私の執事にぴったりじゃないか ハッハッハッ これは愉快だ ハッハッハッ

       完