白髪の王子様の好奇心 105 第4次産業革命

第4次産業革命
ゴールデンウイークの後半に明治の産業革命遺産が世界遺産に登録されそうだというニュースが大きく取り上げられました。
イギリスから始まった産業革命がヨーロッパ、アメリカ等を経て日本に伝わったのが約100年後ですが、産業革命を経験出来なかった国の殆んどが先進国の植民地や従属国となったことを思えば日本国にとって極めて重要な遺産だと言えます。
しかし、このニュースを聞く前に、先月の中頃『第4次産業革命』という新聞記事を見てショックを受けていたところでした。
第4次ということは第2次、第3次産業革命が有ったということですよね、ぜんぜん記憶にないのです。教科書で習ったのは陸には蒸気機関車が海には蒸気船が煙をモクモク出して走っているイラスト付きのイギリスの産業革命だけであります。若しかしたら習ったけど忘れたのかも知れませんね。だいたい2番目、3番目は影が薄いんですよね。長男が生まれた時は親戚中がお祭り騒ぎで祝いますが、2男3男となると『あら生まれたの』ぐらいで赤ちゃんの頃の写真もめっきり少なくなるものです。
三男坊の私としては産業革命の2男と3男の気持ちをくんで調べることにしました。
それによりますと、石炭が中心だった資源が石油や電気に代わり大量生産を生み出した工業力アップの改革を第二次産業革命と呼んでいるようです。チャップリンの『モダンタイムス』という映画の中で巨大な歯車と戦うシーンが出てきますが、あれは第二次産業革命が生んだ大量生産の工場で過酷な労働に苦しむ労働者を表現したもので、社会風刺の作品だったようです。
第二次産業革命=チャップリンのモダンタイムス』とインプットすることにしました。
第三次産業革命が始まったのは原子力エネルギーが登場、更には人工衛星を利用した通信ネットワークが急速に発展し、ITとかME等の横文字がおじさん達を苦しめはじめた頃のようです。東京オリンピックを開催することによってようやく先進国と自他共に認められた時代なので『第三次産業革命=東京オリンピック』とインプットしました。
この頃ビートルズが来日しましたが、私が買ったLPレコードの片面全てがヘイジュードの一曲で約30分ラーラーラララーとやっていました。そのレコードがカセットに変わり、CD→MD→ダウンロードと目まぐるしく進化してきており、竜宮城に行かなくても、玉手箱を開けなくてもおじさん達は時代から取り残されつつあります。
そこでようやく表題の第四次産業革命に移ります。新聞によりますと今ドイツではインターネットと人工知能の導入によって生産の自動化、効率化を革命的に高めようと国と民間企業が一体となって早期実現を目指しているようです。
先月世界最大規模の国際見本市がドイツで開催されました。そのテーマが第四次産業革命でその記事が私の目に止まったということであります。
若い人にとっては今更大騒ぎする程の事ではないかもしれませんが、ちょっと記事を読んでみると、予想を遙かに超える内容で、人間がロボットを造るのではなくロボットがロボットを造りロボットがロボットに指示を与え、部品の調達から製品の発送更には請求業務から支払業務の事務作業まで一貫してロボットに任せる計画だそうです。それが実現したら当然ロボットに職を奪われた人間の失業者で街は溢れることでしょう。
どうやら第五次産業革命は人間ではなくロボットが行うような気配となってきました。
私から3〜4代後の王子様もロボットになっているかも知れません。そうなったら頭もツルツルで白髪もなくなっていることでしょう。
もう初夏というのに頭が寒くなってきました。


私の好きな散歩コースです。水面に映る青空がとても嬉しそうです。