白髪の王子様の見聞録 ほっこりアイランド

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⓴のろしとドローン

★ブー太郎 何をしてるんだね 落ちてる小枝や枯葉を拾い集めて

(ブ) のろしを上げるんです SOSの

★AI技術のトップを走るほっこりアイランドの通信システムが太古と変わらぬのろしとは驚いたね 然もブー太郎がそののろしで合図出来るなんて二度ビックリだよ

(ブ) 私はのろし技能試験三級の資格を持ってますから

★ほ~う 凄いね その三級ではどんな合図が出来るんだね

(ブ) SOSだけです 

★ふ~ん それで二級に合格するとどんな合図を送ることが出来るんだね

(ブ) 二級に合格するとアイウエオの文字が送れます そして一級に合格するとドラえもんルパン三世のイラストを送ることが出来ます

★さすがほっこりアイランドののろしはそんじょそこらののろしとは違うね

(ブ) 王子様 そこでぼーっと立ってないで着ているボロシャツを貸してくれませんか 煙を塞いだり放したりしてSOSの暗号を送りますから

★貸すのは構わないがぼーっとしてるとかボロシャツとかは余計だろ

(ブ) だってさっきからぼーっと立ったままだし着てるシャツも襟のところがほころびてるじゃないですか

★お前の言葉からは思いやりとかおくゆかしさは全然感じられないな 昔の話で伯爵と奴隷が無人島で暮らす内に地位が逆転したということだがそれは本当だな

(ブ) はいはい 王子様が何かブツブツ言ってる間にSOSの暗号をのろしで送りましたのでこれで安心です 直ぐに応答が有るでしょう

★応答ものろしで来るのかね

(ブ) いいえ ドローンです

★ドローンとのろしのセットかね まるでミニスカート姿でわらじを履くようなもんだな

(ブ) ほらほら もう向こうからドローンが飛んで来ましたよ

★早いな~ 駅の立ち食いソバだってこんなに早く出て来ないぜ

(ブ) あれは偵察用のドローンです 我々の様子を映像と音声で確認して本部に知らせるんです ドローンが近づいたら状況を説明してご主人様に今日は帰れないことを伝えましょう 心配するといけませんから

★ブー太郎は見掛けによらず いざとなった時のスピーディーな行動力には関心したよ 頼りになるね~

(ブ) ロボットも見掛けだけで判断しないで下さいませ王子様

★そうだね 人間の悪い癖でね殆ど見掛けで判断してしまうんだよ 特に男は単純だから美人は皆性格も美しいと思って痛い目に合うんだよね 昔から美人屁もすりゃ糞もすると言われてるのにさ 特に美人の屁は鼻が曲がる程臭いそうだ

(ブ) はい王子様ドローンが到着しましたよ カメラに向かってピースサインをして下さい

★おいブー太郎 ピースじゃ無いだろ ピンチなんだよ我々は今

(ブ) それではピンチのサインをどうぞ

★突然どうぞと言われても え~と うん~と う~~ あ~~ ぐ~~

(ブ) はいOKです これでご主人様も王子様のサインを見て便秘薬を送ってくれることでしょう

★・・・・・

    つづく