白髪の王子様の好奇心 101下着の衣替え

下着の衣替え
温かい日が続き、桜も散りかけた時に桜吹雪ならぬ本当の雪が降って来ました。
もう春だと気が緩んだ分寒さは厳しく感じます。若者達も『サブ〜』と肩をつぼめて足早に通り過ぎて行きます。
幸い、冬物は未だクリーニングに出してなかったので助かりましたが、毎年のことながらこの時期はクリーニングに出すタイミングは思案のしどころです。特に冬物はクリーニング代も高いので仕上がってきたばかりのダウンコートのビニールを破ってもう一度着るなんて贅沢はできません。下着を重ね着して鼻水を垂らしながら我慢することになります。
春は3日続きの晴れなしとか寒の戻り、3寒4温、花冷え等、日々の株価のように乱高下しますのでその度私は下着の衣替えをして凌いでいます。ズボン下もその日の状況でステテコかモモヒキかを選択します。これぞ自己責任の選択であります。
ところが、ある統計によりますと男女を問わず今時の若い人は下着の衣替えをする人は少数派だそうです。だいたい肌着を付けずに即Yシャツを着るのがナウイじゃなくてオシャレだそうですから肌着等の衣替えをしろと言われれば自分の肌を裏返しするしかありません。ましてやモモヒキなんぞは死んでも履かないと我々おじんを鼻で笑います。それなら『サブ〜』と肩を窄めて歩くなと言いたいところです。
下着のパンツもおじんと若者とでははっきり分かれてきました。若者コーナーを覗くと女性の下着を見るような恥ずかしさを覚えます。勝負パンツよろしく色鮮やかでデザインも多種多様です。中には小銭入れとTバックが合体したような卑猥な物まで有ります。これなら昔ながらのフンドシの方が余程紳士的です。フンドシは女性の間でもひそかなブームとなっていると聞きます。この目で確かめてみたいものです。
このフンドシが普及したのは生地が麻から木綿に代わった江戸時代の中頃だそうです。女性よりも早く男性が下着を付けるようになった理由は簡単です。男の物は押さえておかないとプラプラして気が散って困ります。敵を前にしてピタッと止まってもあそこだけがプラプラしてては威厳に差しさわりが生じるのです。そんなことからフンドシは急速に普及しましたが出始めは庶民にとっては高価なもので買えない人も多く、そこで貸フンドシ屋が繁盛したそうです。勿論洗濯してアイロンもどきをしてパリィッとしたフンドシを貸したそうで、これが世界初のレンタル業だと言う人もいます。しかしフンドシはたった一本の細長い布から出来ており、結び方がだらしないと横からポロリと出てしまいます。そうなると出会った人もどちらに挨拶してよいのか困ってしまいます。
相撲では取組中ポロリと出たら、出た方の負けとなります。そんな事ある訳無いと思ってる方もいるかも知れませんが実際に2000年の5月場所でその珍事が起こり海外までそのニュースは流れました。
決まり手は『モロ出し』とスポーツ新聞に書かれたりしましたが、そんな決まり手はなく反則負けの一つだそうです。
下着は普段から清潔で良い物を身に付けなさいと年輩の方は言います。
それは何時事故や病気で病院に運ばれるか分からないからです。医者もボロ雑巾のような下着を見たら治療に力が入りません。下着を身に付けない人もいるようですが、それだと膝を治療するだけなのにスッポンポンになってしまいます。いたずら好きな看護師さんから『あら こんなところにミミズが』とピンセットで摘ままれる恐れがありますので下着無しのファッションはなるべく控えた方がよろしいようです。



お寝坊さんだった太陽もようやく私の出勤時間に顔を出すようになりました。