白髪の王子様の好奇心 3 七夕に思う

七夕に思う
今日は七夕である。
天体の恋に思いをよせるスケールの大きなお祭りなのに私達の年代では子供の頃に
七夕を祝った記憶が無いためか今一盛り上がらないのである。
戦後間もない時代、私は幼稚園や保育園が有ったことさえ知らないし小学校で七夕に
ついての話も聞いた記憶がない。もしその時代に短冊に願い事を書けと言われたら
多くの子供が『あしたは白い御飯が食べられますように』と書いたに違いない。
七夕祭りはどうやら中国の伝説を日本風にアレンジしたものらしい。
昔は子供が手習いの成果を短冊に書いてもっと上達しますようにと願ったり、織姫
は織物が上手なので女の子は縫い物が上手になりますようにと願ったそうだが今で
はお肌の曲がり角をとっくに過ぎた大人まで『ダイエットで5キロ痩せますように』
とか『垂れ下がったお尻が5センチアップしますように』とか織姫がずっこけるような
願いも多いと聞く、『衣食足りてわがままを知る』である。
彦星と織姫星は恋人同士とばかり思っていたが辞書で彦星を調べると『織姫の夫』
と書かれている。それなら織姫は彦星の妻であり姫と呼んでいいのだろうか?
そんなことはどうでもいい、年に一度しか会えない彦星と織姫である、そっと見守り
短冊には何も書かずに祝福するのもいいと思いませんか?何故なら彦星と織姫が
年に一度しか会えない大切な夜なのに人間の沢山の願い事を読んでいるうちに別れの
時間が来てしまうのではと心配するからです。
織姫さんとの再会を楽しみにしている彦星さんに知らせたいことがある『お〜い
彦星さ〜ん 女房とは年に一度会えばいいと思ってる亭主がわんさかいますよ〜〜』