516 中年の日

◎ あっという間に正月休みも終わったな

▲ 毎年同じこと言ってるような気がするけど4日が土曜日だたらあと3日連休が続いたのに残念だな

◎ 土日の2日だけだろ

▲ 月曜日は成人の日で休みじゃないか

◎ あっ!そうか 中年に成ったら成人の日なんかすっかり忘れてたよ

▲ そうだな 俺なんか青春時代を飛び越えてダッシュで中年になっちまった気がするよ

◎ ハハハハ 『狭い日本そんなに急いでどこへ行く』だな

▲ 考えてみたら 成人の日や敬老の日があるなら中年の日が有ってもいいよな 中年が一番社会人として責任ある仕事を持たされ心身共に疲労困憊してるんだから

◎ そうだよな 仕事だけでなく 子供の出産 七五三 入学 卒業 そして会社の上司以上に奥さんに気を使ってさヘトヘトだもんな『中年ヘトヘトの日』なんていいよな 確か祝日の無い月があった筈だから是非検討してもらいたいもんだね

▲ よし 俺が総理大臣になったらまず先に『中年ヘトヘトの日』を設けるよ 約束しよう

◎ その約束こそ政治家の約束だな

ハハハハ ハハハハ

▲ 会社も中年にはもっと気を使ってさ椅子なんかマッサージチェアーにしてくれたら助かるよな~首や腰をモミモミしながら仕事が出来たら最高だぜ

◎よし 俺が社長になったらまず先にお前の椅子をマッサージチェアーにしてやるよ

▲ あ~~あ 今年もお前の大風呂敷に悩まされるのか マッサージチェアーの横にベットも頼むよ 社長~

ハハハハ ハハハハ

 

おわり

 

515 生花の押し売り

〇 奥様 これからデパートに買い物に行きますが何か買うものがありましたらお申しつけ下さいませ

★ あら何のお買い物ですか?

〇 明日お客様がお越しに成るとご主人様が申しておりましたのでリビングと応接間にちょっとお洒落な生花を飾ろうと思いまして

★ ホッ ホッ ホッ お客様と言っても屋根の修理で来られる職人さんですから家の中には上がりませんことよ

〇 そうですか~ それでは生花を屋根のてっぺんに飾ってはどうでしょうか 職人さんもさすが重光家と感心すると思いますが

★ ホッ ホッ ホッ 誰が生花を屋根のてっぺんに飾るんですか?

〇 私これでも学生時代に忍者クラブで訓練しましたので2階の屋根ぐらいスルスルっと上って屋根瓦をパコンパコンと5~6枚剥がして生花をチョコンチョコンと飾るぐらいたやすいことです お任せください

★ あのですね 職人さんは屋根の修理をするために来られるんですよ それなのに屋根瓦を剝がされたら余計な仕事が増えるじゃありませんか

〇 そうですか~~ それでは生花をドローンに乗せて職人さんの頭上をぐるぐる回転させて歓迎してはどうでしょうか さすが重光家と涙を流して喜ぶと思いますが

★ そうかしら 重光家はアホかと思われそうな気がしますけどね~~それにしてもあなた生花にこだわってますが何か理由でもあるんですか?

〇 鋭いご質問で 実は私の親戚の子がデパートの生花売り場に勤務しておりまして その子に喜んでもらおうと思いまして つい押し売りをしてしまいました 申し訳ありません

★ ホッ ホッ ホッ それならお客様には関係なく私達も楽しめますからリビングと応接間 それからエントランスも生花で飾って下さいな

〇 有り難うございます奥様 有り難うございます・・・それでドロ~ンに乗せる生花はどうしましょうか

★ あなたは忍者の訓練をしたそうですね

〇 は はい

★ それではドローンに乗せる生花の話はドローンと消してくださいな

〇 奥様 お見事です はい

 

おわり

 

514 仲良しのお正月

〇 お兄ちゃん お正月なのにお父さんとお母さん台所で喧嘩してるよ

▲ ほっときな 大人は仲がいいほど喧嘩するらしいよ 犬だってそっぽを向くらしいから

〇 ふ~ん 大人って難しいね 私がお兄ちゃんのおやつを食べちゃった時頭をゴツンと叩かれたけど あれとっても痛かったから泣いたんだよ あれって仲良しの喧嘩じゃないよね 犬だって心配するよきっと

▲ あれは愛の鞭といって可愛い妹にやってはいけないことを教えてあげたんだよ

〇 教えるだけならゴツンしなくていいと思うよ

▲ それは違うんだな~ 転んでも痛くなかったら注意しないで何度も転がってしまうだろ 転んで痛い思いをするから次からは誰に言われなくても自分で転ばないように注意するようになるのさ 同じように他人の物を黙って食べたのに強く注意しなかったら友恵は平気で他人のものを食べるようになっちゃうだろ だからゴツンと痛い思いをさせてやったのさ だから友恵は注意してくれたお兄ちゃんに感謝しなくちゃいけないんだぜ

〇 お兄ちゃんはすぐにゴツンするからゴツンされる度感謝してたら頭コブだらけになっちゃうよ

▲ ハハハハ それならお兄ちゃんの部屋に来る時は自転車に乗る時のヘルメットを被って来ればいいじゃん

〇 そっか~ お兄ちゃん頭いいね~~

   カランコロン ガチャン ゴロゴロ

〇 お兄ちゃん 台所でおしゃもじやお鍋の蓋が空を飛んでるよ

▲ 大丈夫 大丈夫 割れないものを選んで投げてんだから そうだ友恵 台所にお父さんとお母さんのヘルメットを持ってってあげな 怪我をしないように そうすればきっと喧嘩止めるよ

〇 さすがお兄ちゃんは冷静だね 私お父さんとお母さんの怒鳴り声を聞いた時怖くておしっこチビリそうになっちゃった

▲ お前は世話を焼かせるな~~頭はヘルメットでお尻はオムツかよ

  ゴツン

▲ 痛っ! なんでお兄ちゃんがお前に叩かれなくちゃいけないんだよ

〇 レデーに向かって失礼な事言ったからよ

▲ 何がレデーだ オムツのくせに このノートぶん投げるぞ

〇 それじゃ私このスリッパ投げるからね

▲ エイッ ヤ~~ッ オムツめ~~

〇 エイッ ヤ~~ッ 無礼者め~~

***こうして家族揃って仲良しのお正月を過ごすのでありました アーメン

 

おわり 

 

 

 

 

 

新年のご挨拶

(アナ)・今日は白髪の王子様のお城である下駄ばきマンションにお邪魔しております それでは早速王子様から新年のご挨拶を頂きたいと思います 王子様よろしくお願いします

(王子)・皆様 明けましておめでとうございます

白髪の王子様の会話日記は日記と言っても気が向いた時にしか書かないずぼらな日記です 冥土の土産のつもりで書き始めた日記も既に500話を達成し一人ほくそ笑んでおります 今年80歳を迎えますがこれからも皆様の脇の下をくすぐるような会話をお届けしたいと思っております どうぞ皆様も気が向いた時で結構ですのでブログを開いてくれたら感謝感激であります よろしくお願い申し上げます

(アナ)・ありがとうございました 今年80歳を迎えるそうですが健康の秘訣などありましたらお聞かせ頂けないでしょうか

(王子)・秘訣などありません ただ惰性で生きてきただけです こんな事言うと若者からダセ~~といわれそうですね

(アナ)・新年早々ダセ~駄洒落有り難うございました それではこれにてダセ~下駄ばきマンションからの中継を終了させて頂きます 皆さまごきげんよう

(王子)・ちょっと ちょっと君~~

よろしく

 

おわり

513 おばあちゃんの愛国心

〇 オイッチニ オイッチニ

▲ おばあちゃん ほうき担いで何やってんの?

〇 兵隊さんの行進の訓練だよ

▲ へ~~ まさかおばあちゃん これから兵隊さんになるつもり?

〇 そうだよ お国を守るために年が明けたら自衛隊に志願するつもりさ 今の若者はだらしないからね

▲ へ~~ 自衛隊に養老院あったかな?

〇 何言ってんだね 私は若い頃マラソン大会で県の記録を塗り替えたことがあるんだよ まだ目も足も達者だからソ連から北海道を守るために戦地で戦うつもりさ

▲ おばあちゃん ソ連という国はもうないよ ロシアだよ

〇 名前が変わっただけで中身はソ連のままさ ウクライナとの戦が終わったらきっと今度は北海道を狙ってドンパチ戦争を仕掛けて来るよ あんたも男ならぼ~としてないで物置からデッキブラシを持ってきな おばあちゃんが行進の仕方を教えてあげるから

▲ おもしろそ~~ ちょっと待ってて 直ぐ持って来るから

〇 よ~し デッキブラシをこうして肩に担いで胸を張って大きく足を前に出して威勢よく歩くんだよ いいね

▲ うん 分かった

〇 それでは前進・進め~~『オイッチニ・オイッチニ・オイッチニ』

▲ ハハハ 『オイッチニ・オイッチニ』

〇 こらこら 右足と右腕を一緒に前に出したらギッタンバッコン体が横に揺れるじゃないか 右足を前に出す時は右腕は後ろに振り左足を前に出す時は左腕は後ろ 分かったね

❤ ちょと お母さん 息子の翔太に何を教えてるんですか?

〇 近々第3次世界大戦が始まるから日本男子として翔太ちゃんにも自衛隊の初歩的訓練をしてるんだよ

❤ 止めて下さいよ 第3次世界大戦なんて縁起でもない 翔太も来年は中学生なんだからそんな兵隊さんごっこなんかして遊んでる場合じゃないでしょ そんな暇が有ったら勉強しなさい 勉強を

〇 勉強 勉強って そう言うあんたは円の面積の出し方覚えてるかね

❤ 知ってますよ 底辺×高さ÷2でしょ

〇 あ~~ てーへんだ~日本ももう終わりだ~~ 翔太ちゃん行進はもう無駄だから止めて庭に穴を掘って防空壕を兼ねた秘密基地を造りましょ

▲ うん秘密基地なんて恰好いいね

❤ 翔太 穴を掘ったらその穴におばあちゃんを落として上からコンクリーで固めるんですよ 分かったわね

〇 う~~ん 嫁の正体見つけたり~~

 

おわり 

512 大和おばかさん

〇課長・君も入社して3年になるから そろそろ来客との打ち合わせに同席させるけどよろしく頼むよ

〇女子・はい

〇課長・礼儀は挨拶からと昔から言われてるのは知ってるね

〇女子・お任せください課長 私小学生の頃はランドセルから教科書が零れ落ちる程頭を深く下げてお辞儀してましたから

〇課長・どうだか? 君は入社当時先輩に向かって『オッス』と挨拶して怒られていたじゃないか

〇女子・ご存じでしたか 大学時代は砲丸投げの選手として男子と一緒のクラブだったもんでついその時の癖が出てしまったんです

〇課長・もうすぐお客様が見えるけど間違っても『オッス』なんて挨拶しないでくれよ

〇女子・もう社会人に成って3年の大和撫子ですからご心配は無用ですよ課長

〇課長・大和撫子もいいけど去年の懇親会の時君は部長に『粗茶ですけど』と言ってコーヒーを出したそうじゃないか

〇女子。課長は地獄耳ですね うちのお婆あちゃんはお客様が来ると必ず『粗茶ですが』と言ってお茶を出してるのを見てたからそれが大和撫子の礼儀だと思ってたんですよ

〇課長・コーヒーを出して粗茶ですがは無いだろう それって天丼を出して『カレーライスです』と言ってるようなもんだぜ 上品に言ってもそれは大和撫子じゃなくて大和おばかさんだよ君

〇女子・課長 古傷を引っ掻くのは止めて下さい 私は日々進化していますので大丈夫です

〇課長・君 上座は知ってるね

〇女子・さそり座の近くですか?

〇課長・??お客様の座る席のことだよ 応接間の奥の正面の席にご案内してくれ あっ! お客様がお見えだ私の横に立ってお迎えしなさい

〇女子・はい!

〇課長・お早うございます 寒い中早朝にお越しいただいて恐縮です こちらは助手の佐藤です

〇女子・佐藤です お待ちしておりました 早速上座にご案内しますのでどうぞ私のお尻にくっ付いて来て下さいませ

〇来客・(・・・)

〇課長・お~~神よ 救いたまえ

 

おわり

 

 

511 爺様のおしゃれ

 

◎ おじさんは毎日違う作業着を着ておしゃれね

★ 男の年よりは立ってるだけで不潔に感じるものなんですよ ですから清潔感を意識して毎日3種類の作業着とその下に着るシャツを着替えています

◎ へ~~ それって洗濯が大変じゃないですか

★ いえいえ 洗濯するのは私じゃ無くて洗濯機ですから

◎ ハハハハ 確かに

 靴も毎日変えてますよね

◎ よく見てますね 作業用の靴は5足持ってますから毎日履き替えています 不潔は匂いからも感じますからね 清掃する人間が不潔に思われたら清掃じゃなくて不潔をばらまいてるように思われるじゃないですか

◎ ハハハ 確かに でも私なんかこの事務服なんか早くて一週間 ひどい時なんか2~3ケ月洗濯しない時もあるからかえっておじさんから不潔に思われそうだわ

★ あなた方は座って事務を執るわけですから汗もかかないからそれでいいんですよ我々は肉体労働で毎日汗だくですから汗の臭いと加齢臭のコラボで夏なんかうっかり自分の脇の下の匂いなんか嗅いだら手足をバタバタさせてひっくり返りますよ

◎ ひえ~~ 夏はおじさんから10メートル以上近づかないようにしよ~っと 手足をばたばたさせて倒れたくないもん

★ そんな遠くで挨拶を交わしたら山彦が聞こえそうですね そんな時は『ヤッホ~』と挨拶しますんで よろしく

◎ ハハハハ 『ヤッホ~』なら一日中使えるからいいわね そうしましょ そうしましょう

ハハハハ はははは

 

おわり