白髪の王子様の好奇心 47 怪談

怪談
どういう訳か夏になると怪談話しに花が咲く。
お化けは薄着だから夏のが活動しやすいのであろう。
マフラーを首に巻き、手袋をはめて『うらめしや〜〜』は、北国の人にも馴染まないのである。
稲川淳二は毎年今頃になると怪談話しで引っ張りだこのようである。
私達が子供の頃の怪談と言えば、講談と映画である。四谷怪談等を上映する映画館の入口近くには(たたり)が取りつかないようにと厄除けの飾りがしてあり、それを見ただけで怖くなったものである。
あちこちの遊園地にも夏になると仮設のお化け屋敷が設けられ、中から『きゃ〜〜』と悲鳴が聞こえてくる。
今思えば、あの悲鳴は客寄せのためにスピーカーから流した偽物であろう。
偽物といえば、今、中国で日本の有名なお化け屋敷のそっくりさんを造って話題となっている。外の看板だけはそっくりだが、中身はがっかりする程お粗末らしい。
まさか、お化けの三角巾に日の丸を書いて『これが日本のお化けです』などと解説してないだろうか心配である。
『お化けぐらいテメーの頭で考えろ〜〜〜』と日本のお化けも怒っているに違いない。
よく幽霊と妖怪の違いは何なのかと話題になる。
柳田国男はそれに答えようと明快に区分したが著名人からの同意が得られず、今では両方を含めて『お化け』が使われているようである。
子供の頃ユニークなお化けも有った。それはお化け煙突である。
4〜5本有る煙突が見る角度によって3本に成ったり2本になったりするので、面白半分に付けられたあだ名のようなものだが、町工場が多い都会では結構名所にも成ったものです。
東京上野の東照宮には日本三大灯篭の一つに数えられる、通称『お化け灯篭』が有る。
諸国大名が寄進したものの一つであるが、モアイの石像と同じ様にのっそりと立っている。細かい彫刻などは何もなく、美観的には不満も感じるが他の灯篭と比べれば並み外れて巨大であることは確かである。近くに立っている西郷さんも台座を除けばこのお化け灯篭より小ぶりかも知れません。
アイドルになったお化けもあります。それはお化けのQ太郎です。
藤子不二雄の大ヒット作品で、一時期どに行っても『♪頭のてっぺんに毛が3本♪』
の歌が流れていたものです。
このお化けのQ太郎も今年の1月で誕生50年を迎えたそうです。前回の東京オリンピックも今年で50年ですから中年を過ぎたおじさん達も、それを聴くと『う〜〜ん』と時の流れの速さに浦島太郎の気分に成ったのではないでしょうか?
シドニー五輪のマラソンで金メダルを獲得し、国民栄誉賞に輝いた高橋尚子の愛称はQちゃんである。これは合宿でお化けのQ太郎の恰好を真似て『♪頭のてっぺんに毛が3本 毛が3本♪』と歌ったところバカ受けしたしたことからQちゃんと呼ばれるようになったそうである。
どうも私がお化けの話しをしても涼しくならないようで申し訳有りません。お詫びとして今晩あなたの枕元に立ちますのでお許し下さい。ヒッ ヒッ ヒッ