白髪の王子様の好奇心 48 神様はお忙しい

神様はお忙しい
私達はお正月の初詣から始まって1年にどのくらい神様にお願いごとをしているのでしょうか。
初詣に5円玉や10円玉一つのお賽銭で長々とお願いごとをしておきながら、事あるごとに又神様にお願をしていませんか?しかもお賽銭なしで。
『祈願』とは望みが叶うよう神仏に祈り願うことですから色々お願いしてもいいのですが『え〜と あれもこれも それから あれもこれも』と食べ放題のランチの皿に盛るように沢山の願い事をされたら神様もたまりません。
年に一度、神無月に神様が逃げ出すのも分かる気がします。
昔は祈願といえば家内安全、健康、安産、厄除け等のように気持ちに私欲や打算のない純粋な祈願が主であったのですが、商人が商売繁盛を願うようになってからは多くの神社仏閣が商売繁盛祈願を前面に打ち出すようになりました。
何故かというと、商人のお賽銭や寄付は並外れて高額だったからです。
やがて自動車が増えて交通事故が多発するようになると交通安全祈願も商売繁盛と同じように神社仏閣の二枚看板となったのです。
更に受験戦争になると『合格祈願』、スポーツが盛んになると『必勝祈願』、等々時代に合わせて神社仏閣はお客様獲得のために先見の目を光らせて次の獲物を狙っているのです。
ちょっと言い過ぎました、お坊さんがこのブログを見ていたら見なかったことにして下さい。
神社仏閣も企業です。れっきとした宗教法人なのです。むしろ一般企業は神社仏閣に見習うべきかも知れません。
大変なのが神様です。住職や神官がどんどん願い事の窓口を広げるものですから、今迄に経験したことの無い祈願まで担当することになったのです。
それはもう、大忙しです。
しかも最近特に多くなった『宝くじに当たりますように』と言われても一人なら当選番号を射る矢をちょっと曲げて当てることも可能ですが、何十人、何百人、何千人もの人から頼まれたら、あっちを立てればこちらが立たずの
採決不能となってしまいます。それで最近の神様も進化して、さして重要でない願い事は一次下請け、二次下請けに『良きに計らえ』と丸投げするのであります。
宝くじが当たったら美女をはべらして豪遊したいとの願いを受けた下請けの神様は『俺だってそんな贅沢なんかしたこと無い』と怒るに違いありません。
ましてや、俺を振った彼女を不幸にしてくださいとか私を左遷した上司がポックリ逝きますように等と恨み辛みの願い事は下請けの神様でも手に負えません。
そんな、人の不幸を願う祈願は地獄の閻魔様にスマホで連絡して『良きに計らって下され』とポイ投げするようです。人の不幸を願った本人には地獄から招待状が届くシステムになっているそうですからご注意下さい。
このように神様は名ばかり管理職よりも多忙なのです。ですから祈願する私達も下請けの神様に回されないよう願い事を絞ることが大事ですね。