白髪の王子様の好奇心 12 好奇心は賑やかに

好奇心は賑やかに
幼い子供の好奇心は成長期の純粋な疑問から生まれる。
目をくりくりさせて、たわいない質問をする姿は可愛いがちょっとうるさい。
我々老人の好奇心はうるさくはないが可愛くもない。
疑問な点は黙々と辞書を調べ、運よく疑問が晴れても声に出さず、にんまり笑う。
誰が見てもこんな老人は可愛いくない。
それは我々の好奇心は子供の様に純粋な疑問ではなく、意識の根底に平凡な生活に刺激を
求めているからかもしれない。
ともあれ、疑問に思ったことが解決した時の感激は忘れないが、何に感激したのかは直ぐに
忘れてしまうのが私の特技である。
1日かけて覚えたことを3歩歩いて忘れる年頃なので好奇心は明るく賑やかな方がいい。
なんたって好奇心で覚えたことは三歩歩かないうちに忘れたって誰にも迷惑が掛からない
のがなんとも嬉しいのである。