『ほったらかし』と『ぱなし』
夫婦間での不満は数えたら限がありませんが常に不満の上位にランクされるのが『ほったらかし』と『ぱなし』だそうです。
『ほったらかし』は約束したのに（後で）とか（そのうち）等とはぐらかして何時まで経っても約束を履行しないことです。『ぱなし』は食べっぱなしとか出しっぱなし、あるいは汚しっぱなし等の『ぱなし』であります。これは性格とか育った環境というよりも自己中心の甘ったれのような気がします。何故なら相手によってこの態度はガラッと変わるからです。
律儀な奥さんであればある程こうした不満をサラリと受け流すことができずに我慢で堪えます。しかしそれが積み重なってくると我慢の下に溜まっていたマグマが何かの拍子で一気に『ドッカ〜ン』と頭のてっぺんから噴火してしまうのであります。震源が浅くて直下型ですからお鍋やゴミ箱が頭上をかすめるのは覚悟しなければなりません。几帳面とズボラの戦いは当然几帳面が官軍でズボラは賊軍でありますから賊軍はしばしおとなしくすることが肝要であります。
こうならないためにはズボラが几帳面に歩み寄る必要がありますが、それをほったらかしにしておいて几帳面がキレてしまいズボラを飛び越えて超ズボラになったら大変です。ズボラと超ズボラが住む家の中はゴミは散らかしっぱなし、服はぬぎっぱなし、食事は食べっぱなしで汚れた鍋や食器もほったらかしとなると今の時期半月もしないうちに部屋の中は悪臭が漂い、色々な虫が同居し始めます。ゴキブリ、ミミズ、アリ、蜘蛛、ダンゴ虫、うじ虫等々それはそれは賑やかで核家族と少子化対策にぴったりな家庭の出来上がりでございます。
これも逆療法で効果があるかもしれませんが、幼児やお年寄りが一つ屋根の下で暮らしているようであればお勧めできません。
ウジ虫は生きた人間にも集ることを御存知でしょうか、寝たきりのお年寄りを放っておくと床ずれができてしまいます。それに気が付かないで放置しておくと、その床ずれにウジが湧いてしまうのです。時々寝返りをさせてあげて床ずれがないか確認しながら体を丁寧に拭いてやってください。ほったらかしはいずれ自分に返って来るのが世の常でありますから。
車の中に幼児を置いたままパチンコに夢中になり幼児を熱中症で死なせてしまう事件は毎年のように発生しております。この『ぱなし』は計画的殺人と思われても仕方のない恐ろしい『ぱなし』であります。
一歩外に出ればこの『ほったらかし』や『ぱなし』は（無責任）とか（無能力）の烙印を押され、確実に信用をなくしますので、家庭でも日頃から片付けや約束を守る習慣は付けておいた方のがよろしいかと思います。
話しは変わりますが最近片付けの本が飛ぶように売れているようですね。信じられません。本の助けを借りないと片付もできないのでしょうか。
どうやらこの本は主に女性が愛読者のようです。理由の多くは包装紙や紙袋、空き箱やコンビニのビニール袋まで山の様にため込んだり、新しい物を買ったのに古い物を捨てきれずにしまっておくことが主な原因のようです。物を整理する前に頭の中を整理する必要がありそうです。
『片付けの極意は不要な物からどんどん捨てること』とある奥様に伝授したところ何を勘違いしたのかその奥様は一番初めにご主人を捨てたという恐ろしい話もチラホラ、粗大ごみに出したのか燃えるごみに出したのかは定かではありません。
私の好きな散歩道の続編です。
