白髪の王子様の好奇心 49 受験の神様は駄洒落がお好き

受験の神様は駄洒落がお好き
夏休みの時期となりました。楽しい筈の夏休みも受験生にとっては今こそ合否の天王山とばかりにピリピリしながら机にかじり付いて猛勉強となります。
ピリピリするのは本人だけではありません、家族も同様です。
奥様は食事の栄養バランスだけでなく、おやつから夜食まで気を使い、合格祈願から風邪をひかないようにと室内の温度調節まで気を配るのです。
亭主だって奥様からこんな国賓待遇並みの歓待にあずかることは一生ありません。
それなのに息子や娘達は不機嫌そうにムッツリしているのである。あの、織田信長だってこれだけの歓待を受ければにっこり笑ってピースサインを出すと思うのだが、愛想の無い連中である。
しかし、どこの親もこの時期は親バカとなって『滑る』とか『落ちる』等の言葉を使わないようにと気を使ったりするんですね、本当に馬鹿ですね。
合格祈願と言えば神社仏閣のお守りが主流ですが、最近では様々な合格グッズなるものが出現して、お守りを脅かしております。
合格と書かれた鉛筆や消しゴム、フクロウや小さなお守りが付いたキーホルダー、ストラップ、縫いぐるみ、風水、パワーストーンから勝負パンツまで、数えたらきりがないくらいであります。
グローバルな時代となり、お守りとカツ丼だけでは役者不足となってきたようです。
そのいい例が『置くとパス』というタコの置物です。これを置くだけで試験にパスするそうです。
何故タコかというと、タコは英語でオクトパスと発音するからですね、バリバリでグローバルな駄洒落であります。
お菓子類まで受験生が喜びそうなネーミングの商品が売れているようです。
『ウカール』『カナエルコーン』『キットカット』等駄洒落ずくしですが『キシリトールガム』をきっちり通るガムと読ませる苦しいものもあります。それなら『ラッキーカムカムガム』のがグローバル化時代にふさわしいと思うのですが、いかがでしょうか。
謎解きのようなものもあります。
コアラのマーチ』は寝ていても木から落ちないコアラにあやかったものです。それなら『下手な漫才』はどうでしょうか、落ちが無い・・・。お後がよろしいようで・・・。
『ポッキー』は逆から読むとキッポーとなるからだそうですが、逆が気に成りますね、表からではなく逆の裏口から入るように思えるのは考え過ぎでしょうか?
合格すれば、どれも馬鹿馬鹿しいと思うのでしょうが、この頃の受験生にしてみれば藁にでもすがりたい気持ちなんですね。
そこを狙って業者は遠慮なしに受験生をくすぐるのであります。
くすぐれば笑う、 笑えば福が来る、 だから下手な駄洒落でも受験の神様は黙って見守っていらっしゃるのです。
本当のところは受験の神様は中年を過ぎておりますので、駄洒落がお好きなお年頃なのであります。