ジ−ジ−とバ−バ−とお孫さんシリ−ズ 20 ジ−ジ−の夢と孫の夢

ジ−ジ−の夢と孫の夢
○ジ−ジ 僕来月小学校を卒業するんだよ 中学生に成ったらジ−ジじゃなくてお爺ちゃんと呼ぶからね
◎そうか 4月からは中学生かね 嬉しいような寂しいような複雑な気持ちだね
○卒業記念に自分の夢について作文を書くことに成ってるんだけどジ−ジ−はどんな夢を持ってるの?
◎なんだ 隆雄はまだ将来の夢を持ってないのかね
○あるけどさ ジ−ジの夢も聞いてみたくなったんだよ
◎今のジ−ジの夢は四季の草花を眺めたり小鳥や虫のさえずりに耳を傾けたり子供や孫たちの笑顔を
見ながらワンカップのお酒を飲むことかな
○ジ−ジ もっと大きな夢を持とうよ それじゃ残りの人生わびしいよ
◎はっ はっ はっ ジ−ジ位の年になってからあまり大きな夢を持つとな 夢が欲に化けて結局痛い目に
合うもんさ 日頃の平凡な暮らしから平凡な夢が叶う喜びを味わうことが出来るのも老人の特権の一つだな
○僕はパイロットに成って世界中の国を回って世界中の人と話してみたいんだ もしその夢が叶ったら
一番先にジ−ジを僕の操縦するジェットに招待するからね
◎ほら ジ−ジの夢がまた一つ増えたよ 隆雄の運転する飛行機に乗ってワンカップのお酒飲むなんて
最高だね 気持ちよく酔っぱらえそうだよ
○若しパイロットに成れなかったらジ−ジと一緒に公園でワンカップ酒を飲むよ
◎おいおい 今からそんな弱気でどうする
○だって僕のもう一つの夢はジ−ジに喜んでもらうことだもん
◎鼻水が出るようなこと言ってくれるね隆雄は お前がどんどん大人に向かって行くことが寂しく感じて
いたけど気が変わったよ 早く大人になれ 中学なんて飛び越えてさっさと成人式を迎えてくれよ隆雄
そして一緒に飲もうじゃないか
○ジ−ジ 夢ではそんなこと簡単に出来るけど現実は夢や感情に左右される程甘くないよ
◎隆雄君 今後ともお付き合いの程お願いしますです・・・はい