白髪の王子様の好奇心 33 カレンダーは面白い(一ヶ月とは)

カレンダーは面白い(一ヶ月とは)
夜空を見上げれば何時もお月様が私達を見守るように輝いています。
詩人ではない私達でも『お月さんこんばんわ』と微笑みながら挨拶したくなりますよね。
そんな親しみを感じるお月様が暦の原点であります。
カレンダーの1日、一週間、一ヶ月、一年は全て天文学から生まれました。
しかし月に関しては天文学に無知な私達にも新月から新月まで、あるいわ満月から満月までの
規則正しい繰り返しは理解できます。
月は約30日弱で地球を一周します。それを元に陰暦が作られ、一年を12か月としました。
しかし季節の正しい周期は太陽の周りを公転する365日であるため、陰暦だと一年に約10日
程ずれが生じました。そこで3年に一度うるう月を設けて調整していたのです。
それを歴史の教科書にも出てくるユリウスが太陽暦を基準とした暦を定め、4年に1度、たった1日
だけうるう日を設けることによって極めて正確な暦を創ったのです。それが有名なユリウス暦ですね。
月には30日の月と31日の月があります。それを決めたのもユリウスです。ユリウスは奇数月を
31日、偶数月を30日とし、2月だけはうるう年の調整月とし29日と定めたのです。
ユリウスは御存じのとおりローマ帝国の基礎を築いた世界的な英雄であります。ブルータスお前もか?
で有名な、あのジュリアス・シーザーと同一人物です。ローマはラテン語だったのでユリウス・カエサルを英語読みしたのがジュリアス・シーザーなのです。
ブルータス一味によってユリウスが暗殺された後、ユリウスの遺言により初代皇帝となったアウグストゥスは自分の生まれ月である8月が30日であることに不満を感じ、2月から1日を取り上げて8月を31日としました。それだけでは国民から非難を浴びると思ったのか8月以降の奇数月を30日とし
偶数月を31日と変えてしまったのです。そのため年の前半は奇数月が31日で後半は偶数月が31日
となった訳です。
しかしアウグストゥスは何故隣の7月から1日を取らないでわざわざ2月から取ったのでしょうか?
年の後半で7月だけが31日ですよね、おかしいと思いませんか? これは私の想像ですが7月はユリウス・カエサルの誕生月で死後神格化されユリウスの月と命名されていたので、その月からは恐れ多くて手が出せなかったのではないでしょうか。
7月のjulyはラテン語のユリウスの月という意味なんです。
『月月に 月見る月は 多けれど 月見る月は この月の月』
詠み人知らずの歌ですが洒落好きな中高年にとってはお酒がおいしくなる歌であります。
日本には日本の素晴らしい月の名称があります。1月から 睦月 如月  弥生 卯月 皐月 水無月 文月 葉月 長月 神無月 霜月 師走
この文字が多くのカレンダーから消えてしまったことはとても残念に思います。
それを悲しんでか、月は毎年3〜4センチ地球から遠ざかっているそうです。
かぐや姫が月に急いで帰ってしまったのは牛車で帰れる限界の距離だったのかも知れません。
そんな月に人間は足跡を残しました。なんか月が汚れてしまったような気がするのは私だけでしょうか。
かぐや姫さん 月にまで追いかけまして御免なさい。けしてサービス精神で宇宙飛行士の首にレイ等
かけないようお願いします。地球がパニックに成りますので。