愉快な友達シリ−ズ 4.親友の結婚式

○ 吉田、お前田鍋の結婚式に何を着てゆく?
○ 礼服に決まってるじゃないか
○ だって招待状に平服でと書いてあったぜ
○ あれは燕尾服とかタキシ−ドでなくて結構ですと言う意味さ、平服を普段着と思うと恥かくぞ
○ あっぶね-、俺ティ−シャツにジ−パンでいくつもりだったよ
○ あっぶね-、飲み会じゃないんだぞ
○ ところでさ、ご祝儀は幾らぐらい包んだらいいのかな
○ 式場に招待されたら三万は常識だろうな
○ さ、さ、三万 まじかよ 三万と言ったら俺のボロアパ−トの家賃と同じじゃないか
  あいつ結婚式を挙げて俺をホ−ムレスにするつもりだな
○ おいおい、親友の幸福を自分の貧乏と重ねてひがむなよ
○ 参ったな- ところでお前は近々結婚する予定はないだろうな
○ 有るような、無いような
○ 頼むからあと三年待ってくれ、田鍋のご祝儀から立ち直るまでに三年はかかる
○ お前は唐突に会社辞めるからそういう事になるんだよ
○ 馬鹿な上司と喧嘩してさ
○ それは上司が馬鹿じゃなくて、お前が馬鹿なんだよ
  入社して三年しか経ってないのに上司と喧嘩して勝てるわけないだろ
○ まあな そういう訳でお前の結婚式は暫くお預けにしてくれ
○ お前の財布の中身で俺の結婚式の日取りを決める訳にはいかないよ
○ 冷て-、それならアフリカとかシベリアとか遠くでこっそり式を挙げてくれよ
○ こっそりやるなら遠くも近くも関係ないじゃん
○ ??それもそうだな、だけど遠くの方が気が楽じゃん
○ 心配すんなよ、俺は行き付けのスナックかパブを2〜3時間借り切って親友を呼ぶつもりさ
  そうすればお前もティ-シャツにジ−パンでokさ
○ それっていいな、最高だよ、それで会費は幾らだ
○ そうだな、三万ってとこかな
○ それじゃホテルと同じじゃん、やっぱお前はアフリカとかシベリアで式を挙げてくれ
○ それじゃ-2万でどうだ
○ ブ-
○ それじゃ-1万5千
○ ブ-
○ 1万
○ ブ−ブ−
○ 冷て-な-、おまえシベリアより冷て-じゃないか
○ 当たり前さ、俺の財布の中は北極より寒いんだから