8 もの思う年頃
◎何よこの散らかしようは カラスがごみ置き場を荒らす時だってもう少し気を遣うよ すぐに片づけなさい ぼーっと窓の外なんか眺めてさ【ボーッと生きてんじゃないよ】
▲ビックリしたな～も～ 突然私の部屋に飛び込んで来ないでよ カラスだって他人の部屋に入る時はノックぐらいするよ
◎ハッ ハッ ハッ 私もお前もカラス以下だってことかい ハッ ハッ ハッ
▲４月から高校生だから中学時代の思い出を整理しているところなのよ 中学時代に別れを告げる乙女心の切ない気持ちはお母さんも女のはしくれなんだから分かるでしょ
◎女のはしくれだと～～ 何が乙女心だい 床の間にで～～んと座り込んで片膝立ててさ まるで【少女Ａ】じゃないか 隠れて口紅を塗ってるのも知ってるんだよ私は
▲高校に上がった先輩も街で会うと皆口紅を付けてるから私もちょっと練習しただけじゃない そのくらいいいでしょ
◎何も悪いと言ってないじゃないか なんでお母さんに相談しないんだよ 学生なら学生らしい塗り方が有るんだよ 初めから藤あや子がメンタイコをくわえたように塗りたくったら【妖怪少女Ａ】になっちまうからね
▲はいはい お母さんも八代亜紀のように顔からポロポロ化粧が剥がれ落ちるようなお化粧しないでよ
◎芸能人を笑いのつまみにして お主も悪よの～う 少女Ａ殿
▲なんの なんの おばさんＡには敵いませんよ ウッシッシ
◎それが乙女の笑い方か～～～
おわり
