白髪の王子様の好奇心 103 ドロンとドローン

ドロンとドローン
ここのところニュースはドローン・ドローンと消え損ねた間抜けなお化けのような名前で大騒ぎであります。
前回ロンドンで356億円相当を盗んでドロンした盗賊の話をしたばかりですが、今回の悪者は首相官邸の屋上にドローンと現われました。
『ドローン』は英語ですが、我々がよく使う『ドロン』は英語ではなく和製英語でもなく、れっきとした日本語です。芝居等でお化けが出たり消えたりする時にドロドロドロと太鼓の低い音の効果音が昔から使われていたことから、ドロンと現われたとかドロンと消えた等と使われるようになったそうです。
忍者が突然煙と共にドロンと消えるシーンが受けて主に消える方に使われるようになったのではないでしょうか。
今騒がれているドローン(DRONE)を英和辞典で調べてみると幾つかの意味があります。音に関して言えば日本語のドロンの語源となったドロドロドロとかブ〜ンブ〜ン等のような低音が鳴り続けることだそうでドロンとドローンは親戚のようなものなのです。
無人飛行機もきっと似たような音を出して飛ぶことからドローンと呼ばれるようになったのでしょう。
そしてもう一つ不思議な意味があります。それは雄のミツバチのこともドローンと言います。
今回のドローン騒ぎで毎日新聞はこのドローンという言葉の元祖はミツバチの雄からきているとの記事を掲載したそうです。どのような記事だか読んでないので分かりませんが、私が調べたところによるとミツバチの雄は外に出て働くことはしないで家の中でごろごろしているそうです。たまには暇を持て余して六角形の部屋を丸く掃いたりするくらいで花から花へと飛び回って働いているのは全て雌の蜂なのです。その怠け者の雄蜂をドローンと呼んだことから退屈な人とか、だらだら話すとか、のらりくらり暮すことをドローンと呼ぶようになったらしいのです。
そこでピーンとくるのは雄の蜂はグータラで家から外に出ないわけですから、我々を襲ってくるのは雌の蜂だということです。刺されるとしても雌の蜂なら許してやるか等と言ってるそこの鼻の下の長いおじさん、女はそんな甘いもんじゃありまへんのや。
雄の蜂は交尾の時期だけ外に出て女王蜂を待ちます。その数何百匹だか知りませんが女王が選ぶのはそのうちの僅かで残された雄はしょぼくれて巣に戻りますが働き蜂の雌はそんな雄には食べ物を与えず、衰弱したところで巣の外に放り出すそうです。蜂の巣の下で見かける死骸はそんな雄の哀れな姿であります。アーメン。
それでは女王様から選ばれたイケメンの雄はどうなったかというと、交尾をした瞬間『ヤッタ〜』と雄叫びをあげて喜んだ束の間、大事なところをちょん切られて空中で悶絶、昇天、そのまま枯葉のようにひらひら舞って地面に死骸を横たえるのです。誰もお墓など立ててくれません。
どの世界でも女は恐ろしいのです。
このブログを呼んでいる女性の皆様、『ふざけるな』とパソコンを放り投げないで下さいね、話はまだ続きがあります。
我々を襲って突き刺す針は産卵管が発達したもので、当然雄には有りません。あの恐ろしいスズメバチも襲ってくるのは雌なのです。毎年蜂に刺されて死亡する人は30人前後いると聞きます。マムシ等の毒蛇による死者は数人ですからいかに蜂の毒が強烈か忘れてはいけません。
カマキリの雄の多くは交尾後雌に捕まって頭からムシャムシャ食べられてしまいます。
去年大騒ぎとなったデング熱の媒介も産卵を前にした雌の蚊の仕業であります。
一見荒々しく感じるこうした雌の行動もよく観察すると産卵期や子育ての時期により激しくなるようです。子を守るためには自分の命を投げ出してまで戦う強い雌の愛情がなせる業といえます。
男の強さは肉体的な強さが主ですが女の強さは精神的な強さであることは生き物全てにあてはまるような気がします。敵に襲い掛かる雌の強さは子を守るための優しい愛情から生まれたものなのです。
女性の皆様、こんな落としどころでよろしいでしょうか? まだご不満でしたら雑巾を床に叩き付けて我慢して頂きたいと思います。私はこの辺でドロンさせて頂きます。


時々オーロラのように色が変化する雲に出会うと得した気分になります。