白髪の王子様の好奇心 68 幸せな気分

幸せな気分
日本酒のおいしい季節となりました。
『♪〜お酒はぬるめの燗がいい〜♪』 そんな歌がありましたが、寒い夜はトックリを持つ手が熱いくらいの熱燗が私は好きです。
最近は簡単に電子レンジで『チン』すれば温かいお酒が飲めるので重宝しております。
この『チンする』は造語の中でも子供から大人まで殆んどの人が使っているようで、私も『ボイン』に次いで好きな造語の一つであります。
なんといっても『チン』という音色がいいですね、女性も好きな響きだと思います。
電子レンジが出る前はやかんで湯を沸かしてその中にトックリを入れて温めたものです。
しかしこれだと取り出すタイミングがとても難しくて、よく湯と一緒に沸騰させてしまい、酢をたらしたような涙酒を飲んだものです。
飲兵衛仲間にはチンした酒よりもやかんで温めた酒のがぜんぜんうまいと言うやからがおります。
本当にその違いが分かるのだろうか、今一信用できません。何故なら彼は真面目な顔をして真面目でない発言をするタイプですから。
日本酒は昔から二級酒が一番旨いと言われています。私も同感です。
バブルの時代にもてはやされた一級、特級、超特級なる酒は贈答用の見栄のランクみたいなものです。
いつかテレビでワインにうるさいソムリエ並みの芸能人を集めての利き酒コンテストなる催しをやっていましたが、殆んどの人が安いワインを指して『これぞ一級品』と言っていたのを思い出します。
そんなもんです 素人のソムリエなんて。
ワインも日本酒もビールもウイスキーもお酒は雰囲気、ムードで味は変わってしまいます。
上司から(おい飲めよ)と注がれる酒よりも、横に座ってる色っぽいお姉さんから(どうぞ)と笑顔で注がれる酒のが絶対に旨いのは太陽が東から昇る以上に確かなことであります。
吉田拓郎の歌に『旅の宿』があります。
『♪〜熱燗トックリの首つまんで もう一杯いかがなんて 妙に色っぽいね〜♪』
男はこんなムードに弱いのです。
『女房酔わせて どうする気?』こんな色っぽいコマーシャルもありましたね。
こんな、たった一言で男は幸せな気分になる単純な生き物なのです。
若し、このブログを見ている奥様で、色っぽさの、ぽさまで無くなってしまった奥様がおりましたら是非今宵は笑顔で、首を25度傾けて、『どうぞ』と優しくお酌をして下さい。
夕飯のおかずがたった目刺し3匹だけでも文句はいいませんよ、きっと。
それでも若しご主人が文句を言うとしたら、それは奥様が首を25度横に傾けないで、偉そうに後ろに90度そっくり返ったからかも知れません。