白髪の王子様の好奇心 54 お宝発見

お宝発見
70歳を過ぎると大方身辺整理を始めるらしい。
御多分に漏れず私も2年程前から暇を見つけては古いダンボールを漁り、カラスのように食い散らかしています。時々お宝を発見する楽しみもあります。今回も20代に書いた詩集を発見して手が止まってしまいました。
どれもこれも恥ずかしい程純真な詩なので、心を洗うつもりで幾つか紹介させて頂きます。

ユーモア詩集より
『学芸会』
今日は僕の学芸会
母さんは鏡の前でペタペタ
父さんはカメラにフイルムを入れている
でも僕困ったな
僕の役は馬の後ろ足なんだ


『しゃくな石』
僕をつまずかせた石
澄ました顔をしている
しゃくにさわったので
ほじくり返してどぶ川に捨てたら
バシャンとしぶきが顔にかかった
どこまでも意地悪な石だろう


『お年玉』
千円あげるつもりだったけど
五百円にしよう
だって あの子ったら
おめでとう おばちゃん なんて言うんだもん


『美容体操』
朝のトレーニングは気持ちがいい
うっすらと汗をかいただけで
とてもスマートになった気がする
エイッ
得意な逆立ちをしたら
急に目の前が暗くなった
いけない 今日はスカートだっけ


『へそくり』
キョロキョロ ゴソゴソ
母さんのへそくり
僕は知ってる
父さんも知ってる
それなのに母さんたら
ニタッと笑っている

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*20代の私に向かって一言
 どうも こんなにけがれちゃって すみません