台風と冒険
嵐、烈風、豪雨、暴風雨、疾風迅雷、疾風怒濤等自然の猛威を表現する言葉は色々有るが
台風はそれらを全部引き連れてやって来る巨大なモンスターである。
台風26号が千葉県沖をかすめただけで我が町川越は夕焼け空の今も強風が窓をガタガタ
と揺らしている。
台風は以前欧米の影響で女性の名前が付けられていたようだ。女性が怒り狂ったら台風の
ごとく手のほどこしようがないのは日本だけではないようだ。なにしろ怒りという字は女
の又に心と書くではないか。
今日は運よく仕事は休みだが10年に一度の大型台風と聞き、関東地方に最も近付く6時
頃ラジオのスイッチを入れると早速東京駅近辺からの実況が流れてきた。
激しい風と雨の音がマイクを通して伝わってくるが、そんな中、皇居の回りをジョギング
している人がいると怒りを込めたような女性アナの実況に拍手を送りたくなった。
危険と思われる事を敢えて行うことを冒険という。我々は美化して解釈しているふしが有
るが冒険とは無謀と思われる危険な行動をすることで、それは勇気ではなく狂気である。
有名な冒険小説に、ロビンソン・クルーソーやガリバー旅行記、宝島等が有る。これらは
全てフィクションであるが子供心に冒険家に憧れるのもしかたがないのかも知れない。
南極や北極に向かう隊を探検隊と呼ぶ。当然危険を伴うがあらゆる危険を想定して事前に
体力、服装、設備、食糧等に不足のないように準備して危険を避けるのが探検である。
しかし探検という言葉より冒険、アドベンチャーの方が夢を感じるのも確かである。
恋愛に関しての冒険はアバンチュールである。この冒険もあまり良いイメージではなく、
恋の火遊び、例えば貴族の奥様を誘惑するとか、ヤクザの姉御にちょっかいをだすとか
スリルに満ちたドラマ向きの恋である。
さて、台風の話に戻るが台風が接近するたびテレビで放映されるのが傘がおちょこになる
実況中継である。強風の中、傘をさすアホウに写すアホウ、おまけにそれを飽きずに放映
するテレビ局のアホウと言いたい。
スカートがめくれるシーンを放映できないうさばらしに傘がめくれるシーンを撮るのは
いい加減にやめてもらいたい。
立春から数えて210日は9月1日頃である。その頃の台風は稲を刈り取る前の大切な時
であり農家にとっては一大事である。しかし台風は何時きてもやっぱり一大事である。